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2009年09月のアーカイブ
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4th IABR ロッテルダム国際建築ビエンナーレ
4th IABR / ロッテルダム国際建築ビエンナーレのオープニングへ。今回のテーマは「Open City: Design Coexisting」。キュレーターのKees Christiaanse はこのOpen Cityというテーマについてこう答えている。
(…) an Open City is a place where different social groups co-exist, cultural diversity is present, differences in scale are visible, and urban innovation and probably economic development are taking place. When all these factors come together, it can have a positive effect. We can then speak of an Open City.
Open City is not a city; it is a condition of a part of the city. The word ‘condition’ indicates that the situation is finite, that the situation changes owing to other influences. And I’m only talking about parts of the city because it’s an illusion to think that the whole city can be designed as an Open City, or that this can be engineered. Usually for political reasons, every city contains areas that are potentially open, and other areas that will never be open.
- Kees Christiaanse
世界の人口の半分が都市に住む時代。40年後には都市人口は75%にものぼると言われている。都市には異なる人種、バックグラウンドをもった人たちが必然と集まり、彼らの活動が都市を形成していく。これまでの都市のあり方とは、そのようなインフォーマルな活動を規制し、制御しようとするものだった。しかし成熟した都市はすでに成長を止め、アジア、南米、アフリカの成長に寄生することによって、その形態を維持しているにすぎない。もはや都市のほとんどが移民によって構成されようとしている現代の都市は、その異種的、異文化的な活動と共存する都市であるべきではないか、これがOpen Cityの考え方である。
実はこのビエンナーレが成し遂げようとしているの最大の目的は、世界中の建築家、アーバニスト、そしてコミュニティのネットワークを作り上げることなのかもしれない。アジア・南米・アフリカの建築家、コミュニティはすさまじい速度で成長し続ける都市と格闘し、欧米の建築家、研究者も次々と現地に入り込み、都市リサーチやワークショップをおこなっている。そのネットワークを形成し、知識を共有する仕組みが必要とされている。バングラディシュの「マイクロクレジット制度」がすでに世界的に行われるなったように、ひとつの貴重なアイデアを共有することによって、何百万人もの人々が救われるのである。
ビエンナーレの展示自体はただの目次を読んでいるだけにすぎない。その奥には世界の建築家、アーバンデザイナー、研究者、そして現地の住民が、現代の都市がつくりあげる状況と格闘してきた、莫大な知識と、いまだ残された多くの課題が記されているのである。我々はビエンナーレというインターフェースを経由して、奥に広がる情報網にアクセスすることができる。このビエンナーレを起点として今後築かれるであろうネットワークは、今後直面する都市問題を解決するヒントになるに違いない。
Photos below
カワギシツアーズ。
大学時代の同期のケンタロウとアキちゃんが連休を利用してスイスに遊びに来てくれました。休みをとるはずがなんだかんだ仕事に追われ、結局週末のみになってしまいました。ホントに申し訳ありません。
St. Moritzで合流し、まずはChurへ。博物館で鍵を借りてRoman shelterへ。カギなんてかりなきゃいけないの?と驚く二人。
今回はとてもいい感じで光が入っていました。まあ、いつもそうですが。ドイツ語の解説はじめて読みました。紀元後1-4世紀の遺跡だそうです。
Churの街のメインストリートでは陸上のトラックが設置され、短距離走の大会が開催されていました。こんなところで走るのは、気持ち良さそうです。それにしても、このトラックの設置は大変だっただろうなー。
天気もよかったのでValsの予約を少し遅らせ、Haldensteinへ。Peter Zumthorの自宅とアトリエを外から眺める。いつか中に入れてもらいたい。
その後Therme Valsへ。ここは何度来てもいいです。夕方に行って夜までいたのは初めて。自然光から照明へ内部の見え方が時間ごとに変わっていくのを見ることができた。個人的には自然光のほうが好きですが。ところどころでいちゃつくカップルに反応する2人。オレはもう慣れちゃったみたいです。むしろ凝視してやります。夜はVals泊。3人でバンビのお肉をいただく。
ツアーの最後は5年ぶりのSt. Benedetg。Sumvitzから歩くこと約1時間。今回は天候にも恵まれました。雪をかぶったアルプスの山々が背景です。ホテルの朝食のときにつくったサンドイッチをいただく。チーズとサラミがうまいのなんの。
内部も光が綺麗でした。4年前に来た時は曇ってたからな。小さいけれどもいろんな工夫が詰まった建築です。
というわけで、たった2日間のツアーになってしまいましたが、楽しんでもらえたようでよかったです。スイスまで来てくれてありがとう。
Creative City International Conference in Yokohama
今週末、横浜でクリエイティブシティ国際会議が行われます。川岸のボスであるKees Christiaanseもパネリストとして出席する予定です。プログラムはこちら。
アーバンデザインの実績をもった専門家たちによるディスカッションは魅力的です。
Kees ChristiaanseはKCAPのプロジェクトであるロンドンオリンピックのレガシープラン、ハンブルクのハーフェンシティ等のウォーターフロントのマスタープラニングについて紹介するのではないかと思います。もちろん、今月末に開幕するロッテルダム建築ビエンナーレのことも紹介すると思います。非常におもしろそうですね。
それにしても、この豪華ゲストは、さすがに日本の都市計画、アーバンデザインを牽引する横浜だからこそだと思います。これをきっかけに、日本でもアーバンデザインやマスタープランニングの考え方が少しでも広がってもらえればいいですね。
どなたか、もし行かれる方がいましたら、ぜひ感想をお聞かせください。