Once in a lifetime experience of Architecture
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Vo Trong Nghia
A Vietnamese architect, Vo Trong Nghia is one of my best friends from Ishikawa NCT in Japan. Since 1997, He was also studying architecture in INCT. He finished his master study in Tokyo University, and came back to Vietnam. After 3 years, I got a chance to visit him and his works.
He is a promising young architect based on Ho Chi Minh City, Vietnam and known as "a bamboo architect". He has designed several buildings with bamboo, and the structure is quite unique and beautiful.
Nghia told me that it was so difficult to build such buildings with bamboo, because there was no example and technic for that. He spent time at the construction site and developed his design method with collaborators. Nghia was saying, although there are a lot of projects in Vietnam, it is important for an architect to make "one" nice architecture. It seems really difficult to build nice buildings, because all the developments in Vietnam are incredibly fast. Nghia made a lot of efforts to realize the "one", and it impressed many people with his creativity.
Vo Trong Nghia http://www.votrongnghia.com/
Trung Nguyen Cafe, Hanoi
Bamboo dome, Binh Duong
WIND AND WATER CAFE, Binh Duong
Space Block Hanoi Model
Space Block Hanoi Model was designed by Kazuhiro Kojima + Kojima lab. and Magaribuchi lab., it has quite intelligent scheme of space blocks. The combination of the space blocks makes attractive spaces inside. These are the photos from 2002, what I was expecting...
(C)C+A Coelacanth and associates
These are in 2009. After 7 years, the big fruit of the collaboration between Japanese architects and Vietnamese culture was getting old, already. I was quite shocked...
It's quite sad that the building looks like 50 years old, but actually it's just 7 years old. Japanese people might say the problem is Vietnamese construction quality, but I believe, that is not true. The problem is a lack of communication. Architects are maybe tired to talk to Vietnamese workers, Vietnamese users are maybe get bored with asking advices. The idea of the building is still alive, but the building is alone without any help.
Hanoi
I took the long flight from Zurich via Milan, Tokyo and Ho Chi Minh City, I'm coming to Hanoi, Vietnam to visit my friend Ha Nguyen, who was studying at ETH Zurich with me. She is now a partner of arb east, the office has a partnership with arb architects in Switzerland.
This is Ha's Office, located in the north part of Hanoi, just next to the West lake. The office building was designed by arb east.
In the office, currently 7-8 architects and 5 interns are working with her. They are really nice guys!
Downtown of Hanoi. It's quite amazing that so much motor bikes are existing in the city. I could say 60-70% of the traffics is motorbike, 25% cars, and quite few buses.
This culture of motor bike makes interesting phenomena. There was an stage event in the middle of the street, people coming by motor bike stop in the middle of the street and suddenly big event space appear. Of course it disturbs other traffics, but nobody cares. You don't have to prepare any chairs for the events.
a big market place in Hanoi.
There are a lot of people inside. You can find nice products. But... most of them are women. The market is the place for women, that I could understand.
Pedestrian streets are basically occupied by people who sit and talk, play games, eat lunch, etc.
The electric lines are nicely organized. I don't know how to maintain them...
People are playing game at a touristic place. They are good at occupying every public spaces.
Tan My Design shop, located in the center of Hanoi, designed by arb east. The buiding has a narrow facade, and deep space behind. Actually the buiding on the right is the same building as well, but they had to keep existing facade because it's conserved. It's really well done!
Ronchamp, Mulhouse, Basel
Notre Dame du Haut, Romchamp
Le Corbusier, 1955
雨が降ってもまた良い建築です。上から撮った写真のポストカードを発見。なかなか見ないアングルだけどこれがまたおもしろい。周辺にRenzo Pianoの設計の施設が計画されているようです。
ILOT SCHOETTLÉ HOUSING, Mulhouse
Lacaton & Vassal, 2005
ビニルハウスのような輪郭が印象的。1層目にコンクリート部分に予算をかけて2層目を金属フレームの軽構造にした結果、半外部的な空間が魅力的に仕上がっている。
Wohnhaus Schwarzpark, Basel
Miller & Maranta, 2004
シンプルなグリッドのストラクチャーと、ロッジア部分のレイヤーが組み合わさってできる凹凸がファサードを魅力的に見せる。シンプルに見せるためによく考えられている。
Warteck-Hof, Basel
Diener & Diener, 1996
Dienerの作品はいつも単純なように見えるけど、このプロポーションを実現するのはそう簡単にはいかないはず。レンガの使い方も参考になります。
St. Jakob Turm, Basel
Herzog & de Meuron, 2008
ZurichからBaselに向かうと最初に見えてくるアイコン的な作品。プラダ青山のプロポーションを想像させる。スタジアムの中からも尖った形が見える。
Greece
イースターの休暇を利用して、ギリシアへ行ってきました。スイスに来て以来、なぜかギリシア人と縁があるようで友人も多いのですが、彼らの故郷をぜひ見てみたいと思い立ち、5日間のショートトリップに出かけたのでした。
ギリシア人の友人にガイドしてもらいながら、アテネから南西へ70km、半島の最南端に位置するCape Sounionへ。このあたりのランドスケープは山の木々も背が低くまばらで、エチオピアの山を思い出しました。穏やかな海に多くの島が浮かぶ景色は最高です。
Budapest
友人から誘ってもらい、金曜夕方発&日曜夕方着でハンガリーのブダペストへ。正直なところ、東欧の国は少し貧しい国というイメージがあったのですが、行ってみるとちょっと新しい開発が見えないかな、というくらいで、むしろチューリッヒより断然都会でした。到着後は日本食料理屋でまぐろのたたきとラーメンをいただく。
イムレ・マコヴェツ設計のフォルコシュレイトの斎場を見に行くも、休日で残念ながら入れず。平日は普通に空いているそうです。写真はその近くにあった教会。コンクリートブロックを積んでつくられた印象的な外観と、内部のステンドグラスには雰囲気がありました。質素でもいい空間というのはあるところにはあるものです。
シュテインドル・イムレ設計の国会議事堂の中央のクーポラ部分。金を散りばめた豪華なつくりになっています。説明を聞いていて耳を疑いましたが、内部の天井は27m、外部の頂点は96m、ということはその間に69mの空間があることになります。メンテナンスのために使っているそうですが、真相はいかに。。。
応用工芸博物館。ハンガリー分離派建築家を代表するレヒネル・エデンの設計。ウィーンにあるワグナーの郵便貯金局に印象が似ていると思ったら、構造の専門家から、構造的にはぜんぜん違うと言われてしまいました。ワグナーのほうはガラスの天井は上から吊られているのだそうな。比べてみると確かに軽さが違いますね。
ユダヤ教の会堂であるシナゴーグへ。エルサレム、ニューヨークに次いで3番目に大きいシナゴーグらしい。内部は鉄骨造らしく、柱が細い。キリスト教の大聖堂は重厚な印象を受けるのだが、こちらは薄くて軽い印象。こういうのもありだと思う。
もちろん、名物のTokajiワインと温泉もいただきました。せっかくスイスにいるので、また週末小旅行に行ってみたいと思ってます。
Kolumba, Koeln
LeuvenからKoelnへ。ケルン大聖堂(Dom St. Peter und Maria)は駅のすぐ前。この世界最大級を誇る教会の迫力はすごい。
昨年のBregenzでのPeter Zumthorの展覧会以来見たいと思っていたKolumba: Kunstmuseum
des Erzbistums Kölnへ。設計コンペでPeter Zumthorが選ばれた。St. Kolumba教会の遺跡の上にそのまま新しい構造体をのせている。
ファサードの特徴的な窓。窓枠が外壁に張り出すように作られている。
遺跡部分。ブロックのスリットから自然光を採り入れていて、天井につくられる光の模様が美しい。きっと人工照明を消したらもっと綺麗だろう。
内部の開口部。窓のフレームごと外側から取り付けられているので、内部からは枠が見えない。石積みのような重量間のある表現と対応する開口部のデザインと言えるだろう。
資料等が置かれた中央の一室以外は基本的にコンクリートの仕上げ。磨き方で質感の違いを出している。
外から見て、上部の張り出していない開口部は天井の高い展示室にやわらかい光を入れるための開口部。作り方の違いと役割の違いが対応している。
中庭もとても気持ちのいい空間。落ち葉がよく映えます。枯山水の日本庭園を思わせるような、一面の砂利、地面の隆起と樹木や石の配置も綺麗でした。
Leuven - Antwerp
高専時代の友人を訪ねてベルギーのLeuvenへ。まさかあんな小さな町にいた僕ら(しかもあんまり関わりが少なかったりして)が、こんなところで会うことになろうとは想像もつかなかったわけですが、海外に来てがんばってる同級生がいることはやはり刺激的です。
Leuvenという町は人口9万人ほどの街。昔から教会が力をもっているらしく、Katholieke Universiteit Leuvenという有名な大学がある。スイスの都市並みに街が整備されていて、とても過ごしやすい。
街の中心部にあるLadeuzeplein。真ん中に立っているのはオベリスクかと思えば、、、
針に虫がささってました!しかもなかなかリアルにできてます。
旧市街。オランダでもよく見るようなファサード。市内にはゴシック建築もよく見られる。
KU Luevenのキャンパスの一部。昔の城を改装して使っているらしい。建築部門もこの建物の中に入っている。建物自体が最高の教科書になっているのだろう。
Leuvenから北に30分ほど、Antwerpへ。「フランダースの犬」の舞台となったことで有名。人口46万人ほどの中都市で、デザインの街として知られている。駅から大聖堂へのびるメインストリートは多くの人で賑わっていた。
街の中心部にあるOnze-Lieve-Vrouwekathedraal。ゴシックの教会。そしてデザインの街というだけあって、ギャラリーやショップもかなり充実している。
11th International Architectural Biennale Venice: Review
今回のヴェネチア・ビエンナーレの紹介と感想を少し。テーマが"out there: Architecture beyond building"ということで、これまでの建築という認識を覆すような建築の可能性を見せようとしている。
川岸の中ではパヴィリオン建築の中でNo.1のスカンジナビア・パヴィリオン。今回はこのパヴィリオンの設計者でもあるSverre Fehnの作品が紹介されていました。パヴィリオン自体も既存の樹木を残しながら、薄いコンクリートのリブを組み合わせて作られた屋根がかけられ、気持ちのよい空間ができ上がっている。
キプロス・パヴィリオン。ピーター・クックがキュレーターをつとめ、キプロスの若手建築家の作品が展示されていました。それにしても、キプロスは人口80万人ほどの国でありながら、出展者のほぼ全員が海外に出て経験を積んでいるというのはとてもおもしろい。
シンガポール・パヴィリオン。こちらも若手建築家およびデザイナーの作品を展示し、頭上のスピーカーからは彼らがそれぞれの作品についてディスカッションしている音声を流している。他分野のクリエイターたちがコラボレーションして、リンクしている状況が表現されていたように思う。
オランダ・パヴィリオン。今回のパヴィリオン自体はそれほど凝ったものではなかったけれど、オープニングの3日間、切れ間なくディスカッションとイベントを企画して、むしろその場を作ること自体に意義があるような印象を受けた。
チリ・パヴィリオン。若手建築家PEZO VON ELLRICHSHAUSEN ARCHITECTSがキュレーターをつとめ、ツーリズムとしてチリの有名な建築をミニチュア化して展示。建築とツーリズムのつながりを見せようとしている。
ベルギー・パヴィリオン。外部は仮設用の金属パネルで覆われ、外からは何も見えない。中にはいると紙吹雪のような色彩豊かな紙片が床に敷き詰められている。それこそタイトルはAfter the party。既存のパヴィリオンにとらわれず、新しいテリトリーの定義をデザインするという現代的な考え方を見せながら、1907年に建設されたパヴィリオンの、2007年に行われるはずだった100周年パーティーの後という、少し感傷的な表現もおもしろい。
ドイツ・パヴィリオン。リサイクルであったり、インタラクティブであったり、植物であったり、多様な空間をつくる可能性のあるオブジェクトを展示している。Instantによる"United Bottle"プロジェクトに注目。http://www.united-bottle.org/
中国パヴィリオン。四川大震災の後ということもあり、仮設建築の展示が目を引く。紙管を使った建築は坂茂氏のそれほどエレガントではなかったし、雨に濡れてやわらかくなっていたので壊れはしないかと少し不安に思う。
見事金獅子賞を受賞したポーランド・パヴィリオン。既存の空間の将来の可能性を少し皮肉まじりにコラージュしてみせている。
ここからがArsenaleで展示されている作品たち。Architecture Byond Buildingを建築家たちが表現している。 Asymptoteの作品。家具というかオブジェに近い。建築家がここまでやる時代ということでしょうか。
Zaha Hadid Architects 存在感はひたすらすごい。座りやすい高さに設計されているのにも関わらず、座れないとは、どういうことか。これもオブジェ系。
Guallart Architects, MIT CBA, IAACによるHyperhabitat。こちらはインタラクティブ系。ある家具のスイッチをいれると、どれくらいの影響があるのかを正面のスクリーンで表示している。詳細はこちらhttp://www.hyperhabitat.net
M-A-D / Erik Adigard and Chris Salterによる作品。これもインタラクティブ系。人がスクリーンの前を通るとセンサーが反応して、スクリーンに表示される。現実とバーチャルをつなぐツールということか。
Philippe Rahmの作品。本質は空気の循環をつくりだす装置によって人工的な自然を作り出しているということだと思われる。が、それよりも古代を思わせるような、布切れを身につけた、もしくは全裸に近い人たちが楽器を演奏するというパフォーマンスが訪れた人を釘付けに。画的に美しくはあるが、実際その装置がどういう空間を実現するのかを知りたかった。
Massimiliano & Doriana Fukusas作。巨大でマッシブなオブジェクトのなかにキッチンのムービーが映される。建築の巨大化をテーマにしているのか。
Greg Lynn Formによる作品。使われなくなった玩具を再利用した家具。やはり汎用性の高い新しい空間概念のアイデアということで評価されたのか、金獅子賞を受賞。
Diller & Scofidio + Renfroによる作品。ヴェネチアの運河を船に乗っている映像を見ているうちに、いつのまにかヴェネチアを模した場所、例えばラスヴェガス、マカオ、名古屋(どこ?)の映像に切り替わっていく。ブランディングが起こしている現象を表現している。
Atelier Bow-wow による作品。アトワンのモバイル作品の最新作。モバイル性を追求していくと建築の概念はどうなっていくのだろうか。
MACEによるEveryvilleプロジェクト。作品自体というよりは、情報を共有し、リンク付けするためのインタラクティブツールの展示というべきか。詳細はこちらhttp://www.everyville.labiennale.org/
Penezic & Rogina Architectsの作品。住空間の水回りユニットが、水の循環装置によって接続され、自然を感じるようなエコ空間を提案している。
最後はGustafson Guthrie Nicholによる"Towards Paradise"人工的な楽園を想像させる作品。農村への回帰を思わせる。
全体的に見て、建築の新しい形態への回答は、まずはWeb2.0のようなArchitecture2.0的概念として、ユーザーによって形態を変えていく空間装置。次に建築という職能を超えたオブジェクト的なデザイン領域への提案、そして自然という表現としての建築。このような提案が目立ったような気がする。キュレーターの考えは、建築がユニットとして汎用性、模倣性を持ったとき、新しい考えが生まれるのではないか、ということだったように思う。今回の展示でもそれぞれの建築家が、建築を概念的表現まで近づけていたという意味では、将来のアイデアがつまった建築展と言えるのかもしれない。何よりも有名建築家のみならず、多くの若手建築家がアイデアを競い合っていたのは非常に刺激的だった。
text by Noboru Kawagishi
Japan Pavilion
石上純也氏設計の日本館。惜しくも金獅子賞は逃しましたが、会場での注目度はトップクラスでした。何よりもその洗練された温室のデザインは、温室というよりはむしろショーケースのようで、見事に外部空間をデザインしています。それとは対照的に、内部空間には真っ白な壁に数えきれないほどの細い線。これまでの石上氏の作品の紹介をしているといえば、しているのですが、むしろその空間自体が作品です。外部には丁寧に家具が配置されて居住空間がデザインされている一方で、内部は”らくがき”されたオープンスペースのような、これまでの内外空間のステレオタイプを更新するような、コンセプトの強さを感じました。
キュレータの五十嵐太郎氏による毎回の起用に、最大限の回答で応じる石上純也氏のデザイン力とその意気込みに感服しました。建築を超えてアートの域に達していると言われているその洗練されたデザインへの、ヨーロッパでの人気も一気に上がりそうです。
Japan pavilion in this exhibition was designed by a young Japanese Architect, Jun-ya Ishigami, collaboration with a Botanical gardener. I have heard, when the curator of Japan pavilion, Taro Igarashi, won the curator competition, he explained Ishigami as an architect following Toyo Ito - Kazuyo Sejima stream. Of course for our generation, Ishigami is the one of the most remarkable architects who has done "baloon"(2007), "KIT workshop"(2008), and so on.
I thought the main concept of the pavilion is "Nature and space". Various shapes of glass boxes with plants are carefully located and dividing into small scale gardens. Japanese-taste furniture that is normally used in interior space, are placed in each small garden and making exterior-living space.
In the pavilion, it was totally white space which has full of hand drawings of his projects on the wall. Even the plan of the pavilion was drawn with thin and precise lines. People are too much believing that furniture should be in interior space, but this space makes us awake and shows different perception of interior and exterior.
Sky Crowler
周りで見ていた人たちは、映像や音楽が興味深かったと教えてくれたけど、自分にとってはむしろそこに描かれていた強烈なメッセージのようなものが印象に残ったし、やっぱり日本的な映画なのかもしれないという感想をもった。
人々に生きる意味を理解させるために、現実ではあるけれどもゲーム化された戦争があって、そのゲームというビジネスのために生み出された子どもたちがいる。ビジネスのために子どもたちが戦争をして命を奪い合い、それが無限にリピートされる。そんなことが現実に存在するわけないはずだけど、実はもう存在しているののではないか。平和なところに生きていると、ニュースで伝えられる戦争の様子や、人々が命を奪いあっている映像は、結局のところ情報としてインプットされるだけで、身近に感じるのとは情報がもつ印象度が極端に小さい。聞きたくなければ聞かなくてもいいし、はっきり言って自分とは関係ないのかもしれない。そんなニュースを聞きながら、自分のところには起こらなくてよかったと、安心してしまう自分たちがいるような気がする。そんな戦争のニュースを聞いているのと、戦闘モノのゲームをしているのとでは、どちらも現実とは違う世界であって、その中にいる人たちが命を奪い合っているという意味では、情報としてさほど違わないのかもしれない。現実にも自殺したり、命を奪い合ったりしている子どもたちがいるとしたら、それがビジネスとして成立することも不可能ではないのかもしれない。理性的に考えればあり得ない事かもしれないけれど、ドライに考えれば考えるほど、あり得る事のように思えてくる。それほどまでに、人々は戦争に依存しているのだろうか。
絶対的なルールに縛られ、ゲームの中に生きている子どもたちが、自分が存在する意味を見つけるために、ルールに干渉したり、繰り返される運命を変えようとしたりして葛藤する様子は、時間を過ごして、年齢を経ていくという現実において、生きている意味を深く問うメッセージのように受け取れた。ストーリー自体は少し皮肉的な表現だけれど、いつもは考えていないようなことに気がつかされた。
それにしても、日本語のカタカナとは不思議な言葉だ。スカイ・クロラと言ってしまえば、何かカッコ良さげなタイトルだけど、Sky Crowlerと書けば、空ではいはいしている赤ちゃんのような意味を連想させる。キルドレも何か流行りの若者世代のようだけど、Kildrenと書けばなんと恐ろしい造語だと想像できる。カタカナにした瞬間に、元の言語が持っていた意味を失い、新しい言葉として定義され、そのまま日常に使われる言葉になる。使うには便利だけど、少し危険なような気もする。
Exotic
どうみても、オランダにしか見えませんが、ここは日本、ハウステンボス。正式名称はHuis Ten Bosch「森の家」という意味らしいです。ここまで誠意を持ってデザインされたテーマパークに訪れてみると、ここはもはやテーマパークではなく、少し変わった日本の街に見えてきます。
ハウステンボスという名前は知ってたものの、ディズニーランド的な典型的なテーマパークのイメージしか持っていませんでした。訪れてみて気がつくことは、アトラクションなどはむしろ魅力的とは言い難く、やはりオランダからデザイナーやレンガ職人まで呼んで、作り上げられた街並みこそが、最大の魅力であることに気がつきます。
ハウステンボスのプロセスをもっと多くの人に知ってもらえたら、きっとそのコンセプトに共感してくれる人々も少なくないのではと思います。確かに経営面がまだ上手く行ってないことは事実ですが、バブル全盛の時期から、ここまで考えられているとは、建築を学ぶ者にとっては尊敬すべきプロジェクトだと思います。
もう少し詳しく調べてみたいと思っています。
Short Trip
日本から友人が遊びに来てくれました。ちょうどイースターの休暇だったので少し旅行をしてきました。まずは6年ぶりのRonchampへ。Zurichからは4時間ほど。以前に見た建築を見に行っても、以前見た時とは見えるところが違う。6年前はただその空間を感じたことしか印象になかったのですが、今はもう少し冷静に理解しようとしている自分がいます。
今回は建物だけではなく、その周辺にも気を配ることができたようです。
リクエストに答えて、Hoch Ybrigでスキー。スイスでは小規模なスキー場ながら、ゲレンデの広さには驚きました。。。
ChurでRoman shelterへ。冬の表情もやはり良いです。
Valsと言えばThermeですね。何回見てもいい作品です。
Valsでもう一つ、Caminada設計のHotel Alpinaへ。内部も少し見せてもらうことができました。高級ホテルとは違って、とても田舎らしい落ち着ける空間です。
ロンドンでの再会
(ZAHA HADID ARCHITECTURE AND DESIGN)
(Lords Media Centre, Future Systems)
1週間ほどロンドンに行っていました。新潟で同じ研究室の先輩だったタケルさんとタケさんに会うことができました。タケルさんはロッテルダムのベルラーへで2年、ロンドンのfoaで1年、もう新潟を離れてから3年になる。タケさんはロンドンのUELで2年。2人とも新潟の時からとても個性の強い先輩に映っていたけれど、この数年の間に建築に対する考え方にそれぞれの環境の影響が感じられるようになっていた。
日本にいた時は、数多いる建築家の中でどうやって自分のキャラクターを示すことができるのか全くわからなかったけれど、2人はすでに日本にはないタイプのデザイン論を身につけているように感じた。やはり留学は目的ではなく、自分のデザインを手に入れるための一つの手段であることを再確認した。僕がスイスに留学することを決めた時は「どんなデザインを身につけたいか」というイメージはそれほど明確ではなかったけれど、幸いなことにスイスにはかなり色の濃いスイスのスタイルがあって、それに染まってみることが自分の独自のスタイルにつながるのではないかと考えられるようになった。
海外のデザインに染まるのか、それとも反発するのか、それはわからないけど、日本に帰った時に個性として発揮できるまでになっていればおもしろそうだ。2人の先輩の存在は自分のスイスでの経験を肯定してくれているように思えた。
それにしても、新潟ではそれほど海外とつながるチャンスがなかったのにも関わらず、こうやって身近な先輩たちが自分の一歩前を歩いてくれているというのは、自分の刺激になるし、目の前の目標にもなっている。こういう環境が自分の周りにあることを感謝せずにはいられません。自分も生意気な後輩として、2人に迫る勢いを見せたいものです。
ロンドンでの1週間はとてもいい経験になりました。お忙しいところ時間をつくってくれたタケルさん、ずっと一緒に行動してくれたタケさん、ありがとうございました。
LISBON, CASAGRANTURISMO
友人のRicardoに誘われ、LISBONに行ってきました。主な目的は2つ。LISBON ARCHITECTURE TRIENNALE 2007とRicardoがプロジェクトマネージャーを務めるcasagranturismoのプレゼンテーションに参加すること。ZurichからBaselを経由してLisbonに到着すると、そこは真夏、気温37度。Zurichが雨続きで気温15度くらいだったので、春から夏に飛んで来たような感じ。そしてLisbonの街は本当に美しかった。オレンジ色の屋根とポルトガルタイルが彩る町並みは正に感動的。ただ旧市街だけがそうなのではなくて、新しい部分にもちゃんと意識が行き届いているように思えたし、すぐそこに人々の生活も見る事ができて、すぐに惚れ込んでしまいました。
LISBON ARCHITECTURE TRIENNALEのメイン会場であるパビリオンへ。Alvaro Siza設計のパビリオンの大屋根はとても印象的。屋根下の空間もとても居心地がよかった。トリエンナーレの展示作品はテーマのUrban Voidに対するアプローチが明確でないものが多く、少し物足りない印象を受けました。その点、五十嵐太郎氏がキュレーターを務めた日本のスペースはしっかりとしたテーマをもっていて、非常に興味深い内容でしたが、どうもアカデミック感が強すぎるような気がしました。テーマが違うので比べるのは難しいですが、個人的にはVenice Biennaleの藤森さんみたいに建築としての力強さも表現してほしいと感じました。
CASAGRANTURISMOのプレス発表でLisbonのCentro Cultural de Belemへ。さすがにいつもラフな格好のRicardoもプロフェッショナルの顔をしてました。若干28歳にして海外から建築家を招待してプロジェクトを実現させてるなんて、自分にとってもかなり刺激になりますね。今回来ていた建築家は、Gonçalo Byrne, BowWow, Njiric, Randic, Dekleva&Gregoric, Feld72, No45, PVeなど、各地で活躍している若手の建築家。それぞれの建築家がテーマであるTourismからデザインのアイデアを生み出していたのがおもしろい。プロジェクト自体が単なるハウジングのプロジェクトではなくTourismというテーマを持っていて、アイデアのシンクタンクとしても機能しているところはさすが。
次の日はプロジェクトの敷地であるポルトガル南部に位置するSilvesへ移動。市民へのレクチャーとプロジェクトのプレゼンテーション。Atelier Bow-WowはRicardoから午前中にレクチャーを依頼されて、午後にはまるで前から準備してたかのように上海やガエハウスをプレゼンテーションしてしまうあたり、さすが百戦錬磨というか、作品のアイデアを共有できる段階(アイデア自体、プレゼンテーション共に)にまで持って行っていることに凄みを感じた。他の建築家も同様に、デザインの見せ方を知っているし、説得力を持っている。このプロセスは今の時代の建築家として不可欠な要素だと思う。
次の日のマスタープランと個々のデザインのディスカッションも含めて、ほぼ3日間まるまる建築家の皆さんと帯同できて、いろいろな話を聞く事ができたし、Urban designやLandscape designの実践をみる事もできたので、ホントにRicardoに感謝。28歳になる頃には自分もバリバリやれるようになっていたいですね。
残った時間で、リスボン近郊のAIRES MATEUSの建築を見たり、CASCAISに行ったり、建築学生らしいマニアックな旅も忘れず。CASAGRANTURISMOのプロジェクトが完成したら、今回行けなかったPortoも含めて、また見に来たいですね。
URBAN PROTOTYPING
大学のほうも一段落したということで、Sebastianとウィーンに行ってきました。今回のお目当てはUniversity of Applied Arts Vienna主催のイベント「Urban Prototyping Conference」(公式サイトはこちら)。参加した建築家も若手が揃っていて最近の動向が知りたかったし、1988年の"Deconstructivist Architecture"のキュレーター、Vollume Magazineの創始者として知られるMarc Wigley氏の講演が聞けるということで即決しました。
印象に残ったのはBIGのプロジェクト。投資の力を意識したデザインと、メディアを駆使した戦略が若手建築家の勢いを感じさせてくれました。今年からUCLAのChairをもった阿部仁史氏のプレゼンテーションは全く建築作品は紹介されませんでしたが、むしろUrban Protyping として議論されるべき内容だったと思います。東京のマンガ喫茶やカプセルホテル、コンビニなど、都市が住居の一部になっている現象を非常にうまく説明されていました。隣で聞いていたSebastianは「お前らは狂ってる!!」って言ってましたが。。。
Mark Wigley氏はその建築家たちのプレゼンテーションを総括した内容。PROTOTYPEは同じようなものを量産する際に用いられるものだったが、違いをつくるものとして存在していると主張していました。なるほど、日本でも建築計画はある建築の標準形、いわゆるプロトタイプをつくる学問として存在していたわけですが、現在は異なる条件でのケーススタディを集積・分析する学問となっているのもそれに近い気がしました。プロトタイプはデザインの裾野を広げるものとして蓄積することには意味がありそうな気がしました。
同時に展示もスタートしたらしく、同大学の作品を見学。形態操作がやはり独特です。ETHのスイスボックス一色とはまるで正反対に見えますね。
TUWienで木質構造デザインの授業をもっておられる網野先生とも1年ぶりにお会いしました。ちょうど担当されているコースの講評会をやっていて、運良く学生たちの作品もみる事が出来ました。
最終日はちょっと遠出をしてスロバキアの首都Bratislavaへ。遠出といってもウィーンから1時間。1993年にチェコスロバキアから独立し、首都となったBratislavaはドナウ川が流れる人口40万人ほどの中都市。天気もよく、ぼーっと過ごすには最高でした。街の中を歩いてみると、奇妙な形の建物を発見。メタボリズムかと思ったら建てられたのが1926年ということで、ロシア構成主義に近いのかもしれない。でもどうしてもこの形態を支持する気にはなれなかった。ちょっと文脈が知りたい。
奇妙だったのはそれだけじゃなくて、街に人がいないこと。道路は広いのに、クルマがない。広い公園があるのに、人がいない。日曜だからっていうのを考慮しても、街の中心部で人がいるのが旧市街だけっていうのは本当に気持ち悪かった。その後川沿いに戻って人々も見られるようになったが、その空虚感が不思議だった。
Ulm: 要塞都市の現在
Geislingenからハジメ君とともにUlmへ。UlmはStuttgartから南東へ70km程度いったところ。ちなみにAlbert Einsteinが生まれたところとしても知られている。
早速Ulmの大聖堂の塔に登る。高さ161mは教会として世界最高のらしい。大聖堂に登るといつも思うけど、よくもまあこんな高いところまで積み上げるものです。高さへの憧れは今も変わっていないような気がするけど、そんな人間の欲望のために、命を懸けてつくりあげる職人の情熱というやつは本当に素晴らしいと思う。
(画像左:街を流れるドナウ川 右:大聖堂に登って記念写真。)
Ulmは中世に交通の主要都市として栄えたかつての要塞都市。ドナウ川沿いには要壁のあとを見る事ができる。現在はオープンスペースとして利用されていて、市民にとっても観光客にとっても魅力的な場所になっている。街の中に巡らされている用水路と古くからの特徴的な建物を活かした街のデザインは十分に街の魅力を引き出していて、とても居心地がいい。街の中心部である大聖堂周辺では、新しい現代建築が建設されている。こんな特徴的なコンテクストをもった都市に新しい建築を融合させるのはとてもやりがいのある仕事のように思う。
Stuttgart:時代を感じさせるコレクション
(画像左:Mercedes Benz Museum外観 右:表面の仕上げ)
Easterは新潟時代の友人のハジメ君を訪ねてStuttgart方面へ。彼が住んでいるところはZurichから4時間ほど、StuttgartとUlmの間にあるGeislingenという街。ちょうど聖金曜日だったので大聖堂でBachのJOHANNES-PASSIONを聴く。ソロ部分ではたった一人の歌声なのに大聖堂の空間を通して振動が伝わってきて感激した。
Stuttgartへ。久しぶりに大きな都市に来た感覚。スイスの小ささを実感する。早速Mercedes Benz Museumへ。車体を思わせる曲線のボリュームが存在感を示している。中央に吹き抜けとエレベーターシャフトを配置し、展示空間はちょうど3つ葉のクローバーのように配置されて、少しずつ高さを変化させている。動線は時代を追っていくメインの2つの葉っぱとテーマごとのコレクションが別れていて、経験としてはコレクションの区切りにコラムが挟まれている作品集を見ている感じ。UNStudioによる作品紹介はこちら
展示自体はとてもカッコイイ。技術を高めながらデザインを洗練させていく技術革新も素晴らしいが、2つの世界大戦の中で苦難を乗り越えながら第一線のクルマを開発・提供し続ける姿勢には感激した。自分の中では300SLcoupeが1955年に開発されていることに一番驚いた。しかもそのデザインは決して古さを感じさせないところが素晴らしい。Stuttgartの歴史はMercedesとともに歩んで来ていると考えれば、Mercedesは市民にとっての誇りなのだろう。
Stuttgart郊外に位置するWEISSHOFSIEDLUNGへ。1927年にドイツ工作連盟によって開催された住宅展覧会の会場。委員長だったMies van der Roheが建築家を招顎した近代住宅建築のコレクション。Le corbusier&Pierre Jeanneretによるno.14/15は現在WEISSENHOF MUSEUMとして公開されている。いくつかは失われているが、住宅展覧会の作品が80年ほど経ってもいまだに住まい続けられていることが素晴らしいと思う。建築単体としてではなく展覧会全体として、その時代を現在に伝えることはとても意味がある。Le Corbusierらの作品はとてもコンパクトでありながら、すでに空間を変化させる仕組みを持ち、とても巧く空間を操作している。その深い考え方はやはり古さを感じさせない。
Stuttgard の中央広場の近くにあるパッサージュはとても印象的な空間。反外部的な空間として利用され、非常に効果的な空間のように思う。近くにこの発展形が見られた。画像左はコートヤードを局面のガラスで覆っている。雨の処理等に疑問をもったが、空間としては気持ち良さそう。広場の近くの新しいモール(画像右)も発展形だと思うが、表参道ヒルズやイオンモールに非常に似ている印象を受ける。ここまでくると半外部的な感覚が薄くなるからパッサージュというよりはコミュニティスペースに近い。屋外の雰囲気から比べてもどこか閉じた印象を与えている。パッサージュの進化を見てみるとおもしろいかもしれない。
memo
"Mercedes-Benz Museum"
Architect: UN studio, 2006
Address: Mercedesstrasse 100, 70372 Stuttgart
"WEISSENHOFMUSEUM IM HAUS LE CORBUSIER"
Architect: Le Corbusier & Pierre Jeanneret, 1927
Address: Rathenaustrasse 1, 70191 Stuttgart
年末のParis
年末、思い立ってパリへ行ってきました。まあ、思い立ってパリに行けるところもスイスの立地の良さであるわけでして(しかも片道8000円くらい)。今やっている高齢者のプロジェクトでLandscapeやTopographyというものと建築をどうやってシンプルにデザインするかっていうのを考えていたので、ちょっとネタを探しに行こうと考えたのです。
まず、Dominique Perraultのパリ国立国会図書館。対岸のBercy公園との間に2006年7月に開通したシモーヌ・ド・ボーヴォワール橋ができたことによって、デッキ部分の公共性が高められた印象。閲覧室が入っている下層部分は直接外部との関係性は見られないものの、野生を思わせる切り取られた森は人工的なランドスケープとは違った魅力がある。セーヌ川に浮かぶPISCINE JOSEPHINE BAKERと呼ばれるプールも発見。セーヌ川沿いが公共空間として開発されているような印象。
Bernard Tschumi設計のラ・ヴィレット公園。一応今回のメインディッシュだったわけですが生憎の雨だったので使われている様子はあまり見られず。コンペ案ではフォリーと呼ばれる点のグリッドとプロムナードとよばれる線のグリッドをずらすことによって起こる偶発的な状況を喚起させようとした。コンセプトとしては明快で力強い。しかし、完成した公園には懐疑的な意見が多いようです。チュミが言うような偶発的なイベントが起こりえないことと、ランドスケープ自体としての魅力が感じられないこと。確かにプログラムは認識できても、全体的なランドスケープを体感できない感じはあったと思う。ただ、こういう人が訪れるための公園じゃなくて、ここに住民が住んでいるとしたら公園の使われ方が変化し、イベントが起こる可能性はあるのではないか。そこにはレイヤー構造の有効性があるように思われる。
続いてエッフェル塔。特にランドスケープデザインというわけではないけど、あまりにかっこよかったもので。
Jean Nouvel設計のケ・ブランリー美術館( LE MUSEE DU QUAI BRANLY)。2006年6月にオープン。アジア・アフリカ・オセアニア・南北アメリカの文明と芸術を展示するための美術館。行列のため内部には入れず。精霊たちが生き続ける場として提案されたことあって、持ち上げられた建物の下部や外部空間もデザインされている。カルティエ財団本部のように街路沿いにガラス面をたてる手法は川側からの景観をなじませる意味では有効だと思うが、カルティエほど本体との一体感が感じられないし、レイヤーも感じられないから、表面を覆うスクリーンのように見える。内部の植物が成長するともっと魅力的になるような気もする。次回は内部にも入ってみたいですね。
5年ぶりにCentre Pompidouへ。ランドスケープ(地形?)自体はとてもシンプル。この傾斜のつけ方によって建物本体を背景とした劇場のような雰囲気をつくられたことが成功だったんでしょう。建物を境界にして場をデザインする、むずかしいけど一番の近道かと思います。
あと、また5年ぶりにノートルダムに行ってきました。どうやら自分はああいうゴシック建築が好きみたいですね。パリでお世話になった藤作さん、ありがとうございました。
Venice Biennale
さて、チューリッヒから鉄道で7時間。イタリア・ヴェネチアに到着。チューリッヒはすでに秋から冬になろうとしていましたが、こちらはまだ夏っていう感じです。どうですか!この青い海と青い空!5年前に来たときはサン・マルコ広場を見ただけだったので、今回はまた違ったヴェネチアを見ているようですね。街の外側は開発が進んでいて、バス&自動車が多いんだねー。船で移動している内側とは別の場所のように感じます。
今回は、現在開催中のVenice Biennaleの一部分である、The 10th International Architecture Exhibitionを見に来ました。今回のテーマは”Cities, arechitecture and society”です。世界最大の都市・東京をはじめとして、世界各国の都市の現状、問題点、そして数々のプロジェクトを見せてくれています。人口増加、経済成長が著しいインドやアフリカなどの都市と比べると、ロンドンやロサンゼルスは完成度が高い、成熟した都市のように感じるし、東京や上海はまた別で、経済成長は落ち着いて来たのに成熟に向かっていない都市のように感じました。おそらく、日本に都市をデザインする観点がないからだと思うんですが。こんなふうに各都市の多様な状況を知る機会は自分の中でこれまでなかったので、ずいぶんと考えさせられました。
もちろん、それ以外にも都市や建築に関わる、イタリア国内、世界各国のプロジェクトがたくさんあります。これは現在進行中のナポリの地下鉄プロジェクトで、多くの建築家が駅を担当しています。模型はドミニク・ペローの計画案。
こちらは我らが日本館。恥ずかしながらぜんぜん知らなかったのですが、入ってみたらそこには「藤森ワールド」が広がっていました。いきなり靴を脱がせる演出も、日本館だからなのか、藤森さんだからなのかわかりませんが、都市論、都市における建築に焦点をあてた他国のパビリオンと比べると、明らかに新鮮に思えました。
続きまして、こちらはMIT SENSEable City Laboratoryの展示。GPSを利用してリアルタイムでローマの交通機関の動き、携帯電話の利用状況をビジュアル化したものも興味深いデータに思えたし、他のプロジェクトもリアリティがありました。
こちらはBerlage Instituteのプロジェクト。多分3種類のプロジェクトがあったと思うんですが、それぞれ都市のなかでの建築のアプローチが違っていて、興味深いものでした。タケルさんたちのプロジェクトも発見しました。ちなみに、ETHからもStudio Baselのリサーチが展示されていたのですが・・・正直言いまして、いまいちでしたね・・・。もっとしっかり見せればおもしろさが理解してもらえるんだろうけど、見た目重視のところがちょっと残念。
2日間合計で10時間見て、疲れもありましたが、勉強になりました。ヴェネチア観光も少しできたし、ユースホステルでも楽しめて、なかなか充実した旅となりました。