Once in a lifetime experience of Architecture
カテゴリー:ETHZurich
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We are ready!
After one week of hard work, fighting with super aggressive mosquitos, we finished our installation. Although we had some small problems, our exhibition looks quite good. I'm looking forward to seeing Marc here. I hope he would say, "Fanta~stic!"
Actually video company did great job, four movies are nicely synchronized and show rhythmical presentation. One thing I cannot satisfy is that my panoramic movies are quite small and the quality was changed in order to show them like "film-show". I was expecting to show the dynamic activities of Addis, but it doesn't make strong impact. And, small thing,
Joerg forgot to put my name in the end of the movie...
Our project and model are also on the wall. I thought I could make the layout better, but it was out of my control. The team of Angelil chair did great job. Sometimes I feel that we have too much contents on the wall, maybe it is the complexity of the chair.
The exhibition catalog is also nicely done. People could read the book and understand the concept curation, and four exhibitions from each institution.
I haven't compared to other pavilions yet, but I think our pavilion has too much contents. I think if you want to show academic works, it might be complicated. So that the answer to the question of "What is the building beyond architecture" is not so clear.
Anyway, our exhibition is ready, now it's the time to visit other places, well socialized and enjoy my life in Venice!
Venice Biennale Report vol.1
11th International architecture exhibition in Venice
Swiss Pavilion
Curator: Reto Geiser
TEAM:
LAPA / Laboratory of the production of architecture, EPFL
Harry Gugger
ALICE / Atelier de la conception de l'espace, EPFL
Dietz Dieter
Architecture and Digital Fabrication, ETHZ
Fabio Gramazio, Matthias Kohler
MAS UD/Master of Advanced Studies in Urban Design, ETHZ
Marc Angélil
The concepts of the Swiss Pavilion are consisted of 4 design strategies; A. Methodology, B. Network, C. Didactics, D. Technology. Each team shows advanced design projects through each strategy.
The spaces of the Pavilion are gently divided by three-dimensionally curved brick wall, which was designed by Gramazio & Kohler, and constructed by a Robot. The team of LAPA shows the urban design project in Havana, Cuba, and it has different levels of projects; from urban design proposal to a mockup of the wall design. ALICE introduces their project of temporary structure in London which is called OVERFLOW, they made a three dimensional structure and placed with making use of overflow of the river. And our MAS UD presents urban design projects in Addis Ababa, Ethiopia and in Schwyz, Switzerland. Although both cities have totally different urban situation and different types of development, this comparable presentation shows a learning and feed-back strategy through both cities, with sharing their networks.
Text by Noboru Kawagishi
Urban Design Discussion
いろいろありましたが、ETHに戻ってきました。
これからしばらくまたここにお世話になることになりそうです。
早速、エチオピアのプロジェクトに取り組んでいます。
今年はエチオピアの学生2人が信頼性の高い情報を提供してくれているので、
何もわからなかった昨年よりは効率もよさそうです。
さて、今回のディスカッションは、
ETHのUrban Design/Research Studio, H&deM率いるStudio Basel, Prof. Kees Christiaanse, そしてProf. Marc Angelilの3つのスタジオからアシスタントたちが声をかけあい、アーバンリサーチ/デザインについてのディスカッションになりました。
一番興味を引いたのは、アーバンリサーチとデザインをつなぐツールは何か、という疑問。アーバンリサーチは都市の状況を分析したり、ポテンシャルを見せたりするために有効で、これまでも多くの人たちが用いてきた手法ですが、アカデミックな状況でその情報を活かして何かをデザインするのは難しい。昨年のエチオピアのプロジェクトでも感じたことは、ポテンシャルがわかったとしても、何かの条件(たとえばクライアントからの要求、インスタレーションなどの時間的制約)などが無い限り、都市に関わる条件があまりにも多すぎて、デザインの可能性をしぼりきることができない。もちろん経済性を優先するならばそれに従うデザインというのもあり得るが、アカデミックであることの意味は、それ以外の可能性を提示できることではないか。その都市に住む人々に対して、どういうデザインを提案することが、どういう可能性を提示することになるのか。エチオピアでも、日本の都市であっても、それぞれの状況に対して、その解を発見していくことが、リサーチとデザインの間をつなぐツールを見つけることにつながるのかもしれない。
Schrebergarten
本日無事論文を提出しました。論文って言ってもたかだかA4・9ページなので、むしろレポート以下かもしれませんが。テーマは"COLLECITIVE URBAN SPACE"。ヨーロッパでは線路脇なんかによく見られる"Schrebergarten"(ドイツ語)を題材にしています。英語では"Allotment garden"、日本語ではシュレバー農園、市民農園とも呼ばれています。何も知らない僕みたいな日本人が見ると、スラムかホームレスか何かだと勘違いしてしまうこともありますが、この農園は家庭菜園の持てない都市部の人たちのために、土地を分割して安いお金で農園を貸し出すものなのですが、それがチューリッヒでは湖の眺めが最高な丘陵地とか、駅から徒歩数分の街のど真ん中に存在していることに疑問を持ったのです。
しかしながら、個人の趣味の空間が集合して、都市空間に異様な存在感を与えているという現象は、マスタープランなどのトップダウン的な計画とはちがって、いわば日本で言う秋葉原のような、独自のルールと形態をもつHeterotopia(異空間)のように思えたのです。自分の生活一部や趣味の空間を主な生活空間とは分散して所有する時代ももう始まっていると思うのですが、そんな時に同じような性質の空間を集合させると異空間が生まれるのではないかと。魅力的な土地に高級ホテルか何かを誘致して一時的に経済を活発化させるよりも、異空間が魅力となって人の活動を生むほうが、縮小する時代に合っていると思えるのですが。
もし興味のある人がいましたら、pdfで送りますのでご連絡ください。
いざエチオピアへ
セメスターが始まってはや2ヶ月。ついに今日エチオピアに向けて出発、首都のAddis Ababaに5日間ほど滞在する予定です。これまでは環境がまったく違う場所でのアーバンデザインに四苦八苦してきました。ここ10年ほどで人口が約2倍、住居の80%が違法、マスタープランはよく計画されているけど実行されない、という、日本やスイスとはかけ離れた都市のなかで、状況を体験しないまま計画する難しさを実感しました。
そこで気がついたことは、そのカオス的な状況の中にはいろんな可能性が潜んでいるということ。エチオピアのような発展途上国の都市は日本のような先進国に比べて劣っていると考えるのは容易いが、資本の流入、情報技術の発展等の影響で、都市が成長するスピードは日本の経済成長時の数倍にも感じられる。いわば日本が成長過程で歩いてきた階段を3段飛ばしくらいで駆け上がっているわけだ。するとそこには、むしろ日本が学ぶべき新しい都市の形態があるかもしれない。例えば、携帯電話。日本では固定電話→携帯電話と発展したわけだが、エチオピアでは固定電話がないままに携帯電話が定着しつつある。物理的な電話線網をつくるよりも電波圏をつくるほうが効率がいいためだ。都市が無秩序に発展していて、住所も郵便制度も定着していないから、携帯電話登録で管理するという思索もあるほどだ。
住宅も興味深い。現在の標準的な住宅は、日本の建て売りのようなメインの家に、もう一つ小さな家も建てられる。公式では小さなほうはメイドの家となっているが、実は他の人に貸し出されている。さらに店舗などの用途で貸し出すために拡張も行われるわけだが、なんと週末に一気に建設してしまうらしい。もちろん違法だが、住民は「建てちゃった」的な態度をとり、管理側も都市の密度を上げるという意味から暗に容認している。この無秩序性が都市に活気を与えている事も確かのようだ。
エチオピアにあるのは、経済成長段階の日本のイメージではなく、まったく新しい都市の可能性ではないかと期待しています。都市を体験して、現地の学生やディベロッパーにプレゼンして、自分たちの計画案にどのような変化が起こるか楽しみです。
Summer Semester
(画像左:今頃になって雪。右:Paulo Mendes da Rocha氏の講演会。)
いよいよSummer Semesterが始まりました。と同時になぜか急に寒くなって雪が降ってきた。1月の終わり頃に少し降って2月も3月もぜんぜん降ってなかったんですが、今になってまた雪とは。まあ、少しくらい雪降ってないと春が訪れる喜びも小さくなりそうな気がする。
大学内は一気に学生が増えて活気が出てきました。早速、昨年プリツカー賞を受賞したブラジル生まれの建築家Paulo Mendes da Rocha氏の講演会。 恥ずかしながらぜんぜん彼の事を知らなかったのですが、重量感のあるコンクリートのオブジェクトを空中に浮かせるような彼の手法はとても力強く感じられ、プログラムうんぬんかんぬんよりも空間としての魅力を感じられそうな作品たちです。近いうちに南米に行きたくなった。
(画像左:Associative Designのレクチャー。右:デザインスタジオのオープニング。)
デザインスタジオのほうもスタート。今学期はエチオピアでの都市リサーチとアーバンデザインのプロポーザルになる。ワークショップで準備した自分たちのプログラムをプレゼンして、早速ディスカッション。エチオピアにいく前にどこまでリアリティを持って、有効なプロトタイプを考えられるかが焦点になりそうだ。
現在は参考になる情報を集めているところ。少し前にOMAのLAGOSのドキュメントムービーを見た。大きく2つのパートからなっていて、1つめは建築家やアーバンデザイナーからの視点で映像や映し出され、2つめは市民へのインタビューとともに市民の視点で映像が映し出されている。同じ状況を違う視点から見ることによって、都市に起こっている状況は多様な要素が複雑に絡み合ってできていることがわかる。都市デザインを考える上では、両者の視点から状況を把握することが重要だと感じた。
さらには昨年Berlage Instituteで学んでいたRolf Jenni氏(タケルさんの元同僚)らによるAssociative Designのレクチャー。彼らはパラメーターを使ったAssociative Softwareを利用して、形態を少しずつ変化させながらその形態変化がどんな要素に作用しているのかを理解しながら、場所や条件に一致するポイントを決定する方法でデザインしていた。もちろんパラメーターの選び方や形態自体には恣意性はあるのだけど、条件が変化する度に容易に形態を変化させてみる事ができるような、デザインのためのコミュニケーションツールとしてはとても有効だと感じた。ツールとなるソフトウェアも重要なのだけれど、むしろデザインの提案に幅をもたせるという考え方のキーポイントは、ディベロッパーや他のデザイナーとコラボレーションする際にとても有効な姿勢ではないかと思う。
今学期はいよいよ本格的にアーバンデザインの領域に取り組むことになる。どんな方法論がどんな場面に有効なのか、見極められるチャンスなりそうだ。
Workshop: プロセスの可視化
Workshopが始まってから約2週間。当初はアーバンデザインのToolboxをつくるということだったが、結局明確なお題はなく、次のセメスターでのエチオピアの調査につながるツールをデザインするということになった。それで議論の結果、自分たちの次のセメスターのプログラム自体をプロセスを含めてデザインすることに決定。デザインメソッドやエチオピアに関する資料を集めてPoolと名付けられた壁(画像右側)に集め、Time Table、Team Organization、Topicsの3つのテーマに分けられた自分たちのFilterを通して、有効な情報としてToolの壁(画像左側)に集めて、最終的にはToolの壁に自分たちのプログラムが出来上がるという環境とプログラムのデザイン。
そして完成。これまでの過去(現在は2週間)のプロセスは記録として残され、これからのプロセスはこの壁自体がアクティブなディスカッションのツールとして機能する。常にセメスター全体を意識しながら、目標を設定、チームの組み替え、インプットとアウトプットを可視化していく。今回のように簡単に調査のサイトに行けない場合には、その期間前と後で何ができるかを意識しておく必要があって、変化が起こった時に目標も再設定する必要がある。そんな時に情報を共有し、常に全体と最終的な成果を意識できる環境のデザインが必要だったわけだ。
これがきっかけになって、セメスターのプログラムデザインを本格的にすることになった。どんな最終的な成果を目標にして、どんな情報が必要になるから、例えば誰にレクチャーを頼むべきか。こんなことをするとは思ってもなかったが、自分たちが次のセメスターから得られる経験をデザインできるとすれば、とてもエキサイティングな機会になるはずだ。
AA Workshop
AASchoolのワークショップのプレゼンテーションへ。とはいってもスタジオと同じ建物内。どうやらProf.Angelilの研究室と恊働でやっているらしい。来ていたのはDiploma Unit 14。地域レベルのDesign strategyのコースで、メディアデザイナーのTheo Lorenz氏がチューターをつとめている。ワークショップのテーマは” Communicating Strategies”。
彼らのプレゼンテーションはとてもシンプルなコミュニケーションツールのデザイン。ある地域でデザインをする時、デザインを市民に広く見て知ってもらうために展示をするのはよくあることだと思う。そんな時、いかに市民にデザインの意図を知ってもらって、しかもいかに市民の興味を導きだすか。彼らが提案しているのは、そんなデザイナーと市民のコミュニケーションの媒体となるツール。
まず入場者はカードケースを受け取る。そこには様々なカードが入っていて、それはデザイナーの視点で選ばれた地域の魅力的な部分を示している。市民が興味があるところの装置にカードを入れると、プログラムされた映像が流れる。そしてカードには穴があけられ、再びカードケースに収めるとその穴を通してデザイナーの提案が見えるようになる。文字で表現するのは難しいが、そんな感じ。装置にこめられたデザイナーの働きかけが、市民の興味のアクションに反応するわけだ。ただアクションが起こる展示はよくあるが、デジタルとアナログのツールを組み合わせて、何度もアクションが重なるようになっているとすれば、それはコミュニケーションに近いのではないだろうか。
彼らの提案はシンプルで、可能性を感じさせてくれるものだった。さて、こちらのワークショップはいかに。
Final Reviews in Winter Semester
Winter Semesterのファイナルレビューが終わりました。どうだったかと言いますと、上の写真の僕とProf. Angelilの表情からもおわかりのように、久しぶりの不発でした。なんというか、ミスった。結果的にはいろいろ詰め込みすぎて、複雑になったおかげで、ストレートに伝わらなかったんですよね。後になってみて見れば当然の結果かなと、自分でも思えたけどね。初めてたくさんのスケールを扱って、分析もして、建築のデザインまでやったけど、やはり人にプレゼンする時は、一番言いたい事をストレートに、が基本なんですよね。久しぶりに痛いプレゼンテーションになってしまったわけですが、最近調子に乗ってた罰だと思って、この失敗は必ず次回に活かしたいです。
さて、今回の課題ではそれぞれのチームが異なる考え方や建築の知識や価値観をもっていたこともあって、結果的にとても多彩なプロジェクトになりました(もちろん、最初に与えられたテーマが大きく影響していることは確かですが)。これはすごく面白くて、課題や敷地は一緒なんですが、もはや違う課題と思えるくらいにかけ離れてるんですよね。レビューもそれぞれ全く違う視点からのコメントになっていたので、都市と建築のデザインを考える上で、学べる部分が多かったように思います。簡単に紹介を(写真だけじゃわからないかもしれませんが)。
Theme:Slowmotion, Team:Theano(Greece)、川岸(Japan)
テーマはスピードを操作しながら、いかに建築やランドスケープをデザインできるか。地形や素材、用途などの組み合わせによってさまざまなスピード感をもった異空間(Heterotopia)をつくり、通過するルートによって異なるスピードを選択できるようなデザインを目指した。外部空間を優先的にデザインし、建築も外部空間の性質を定義する垂直方向のランドスケープとして配置していく。建築は両サイドの外部空間に面するのが特徴。外部の影響を受けて形態が決定される。
Theme:Temporarity, Team:Cristine(Germany), Sebastian(Costa Rica)
テーマは時間。敷地近くのエリアからのランドスケープからのグリッド状のサンプリングによってさまざまな空間の集積を作っている。印象としてはテーマパークに近く、それぞれの空間が異なるテーマによって成り立っている。時間という点では多様性以外はそれほど新しい部分は感じられないが、ディベロッパーの視点からは、プロジェクトのイメージを与えやすい特徴がある。さすが事務所での経験豊富な二人。
Theme:mobility, Team:Ha(Vietnam), Fei(China)
テーマはモビリティ。湖沿岸にアクティビティを配置し、それをプロムナードで連結する都市レベルのケーススタディから、その一部分を敷地に当てはめた。建築はプロムナードが隆起した下部に配置される。ランドスケープ出身ということもあって、都市スケールの計画はすばらしいが、敷地のゾーニングや建築の形態との関係があいまいであることが残念。
Theme:Leisure, Team:Daphne(Greece), Imke(Germany)
テーマのレジャーという一時性、多様性から、TopicとToposの関係をデザインしている。湖沿岸の洪水の可能性を示し、敷地周辺からの読み込みによって、Topicの配置を決定している。たとえば洪水の可能性がある場所には一時的なTopicを、丘になって浸水の危険性がなく、アルプスを望める場所には住居というTopicなど。洪水のリスクによって開発されない部分のポテンシャルに注目している点はGood。具体的なTopicが見られないのと、建築形態への影響が提案されないのが残念。
Theme:Prosthesis, Team:Matthew(US), Andreas(Swiss)
テーマはProsthesis(不足を補う人工的な道具。義足、入れ歯など)。既存のキャナルをつなげてアイランドをつくり、そこにプラザと呼ばれる広場やマリーナを設ける。高齢者やテーマについての考えは最終的ににどっかへいってしまったが、さすがは経験豊富な二人。ディベロッパーが要求しているウォーターフロントの魅力を最大限に引き出した。アイランドをつくる水の使い方は最も現実的で魅力的。
Theme:arcadia, Team:Iva(Croatia), Krishnan(India)
テーマは理想郷といったところでしょうか。ディベロッパーの開発が建築だけじゃなくて、イメージの提供にも及んでいることに着目し、既存の観光マップに敷地部分のアクティビティを付加した新しいイメージマップを作成。敷地内はこの地域のイメージを象徴するForest, Hill, Mountainという3つのゾーンから成る。特にHill, Mountainの空間は外部空間と内部空間が絡みながら全体の形態を成していて、建築空間としては最もおもしろい。現代では建築の質が利益を生むとは限らず、イメージがいかに利益に影響しているかをアイロニカルに示すプロジェクトでもある。
Theme:disability, Team:Dimitra(Greece), Sebastian(Germany)
テーマは不自由さ。不自由を補うある一定のルールの下では普通に生活できるはず、という考え方。しかし建築形態までにはたどり着かなかったようで、建築にはLe Corbusierの理論を取り入れている、らしいが、理解できず。結局のところ、パブリックとプライベートな空間を共用空間で使い分けてるらしい。Prof.Angelilは彼らのハンドドローイングに注目して、その表現をテーマにもつなげようとしたみたいだったが、最終的にはつながらなかった。
簡単に説明するとこんな感じだったわけですが、僕にとっては同時に多くの都市的な手法を見る事ができた点では収穫が多かったような気がします。しかし、最終的に都市スケールから建築スケールまでシンプルにつなげられたプロジェクトはなかったように思います。やはり難しいみたいですね。僕らのプロジェクトはやっぱり都市スケールのほうが薄かった。建築自体のプログラムよりもランドスケープを含めたゾーニングのほうがやはり力をもってしまうような気がしましたね。次のセメスターはエチオピアのプロジェクトになります。しっかり大きなスケールのデザインも身につけて、シンプルな提案を目指したいと思います。
第1回ラストプレゼンテーション
(写真左:プレゼンテーションのポスター(川岸出演)。右:エントランスホール)
ちょうど新潟では後輩たちが修士論文の梗概を提出している頃、こちらでもWinter Semesterのラストプレゼンテーションがありました。図面はA0で6枚だったんですが、めちゃくちゃ大変でしたね。何せ、200人の学生が一人A0で6枚の図面を同じ日のためにつくってるわけですから、プリントスペースは戦場と化してました。そして、パートナーのTheanoがフラストレーション溜まって、ちょっと相談したくて話しかけると”What!?(怒)”と返され、なかなか十分議論ができず・・・。レイアウトも根本的に価値観が違ってて苦労しました。オレが分かりやすくしようと思ってレイアウトしてると、パートナーが「これは好きじゃない」って言ってアートみたいなレイアウトにしてしまったり・・・最後はなんとか形にはなりましたが・・・。まあ、自分のレイアウトに足りない部分が分かった点ではよかったんですけどね。おかげでまたもやギリギリになってしまって・・・そろそろ時間に余裕を持ちたいと心がけてはいるんですが。
さて、プレゼンテーションはProf. Marcの都合がつかず、2回に分けられる事になりまして、1回目はディベロッパーのBracher氏とMayer氏を迎えてのプレゼンテーションでした。プレゼンテーション自体の出来は上々。さすがにパートナーと何度も議論(もはやケンカでしたが。)をしてたおかげで、言葉も以前よりはスムーズに話せたし、構成自体もとてもシンプルにまとまりましたね。都市スケールの分析から、エリアのゾーニング、ハウジングのプランまで、同じコンセプトで話す事ができたので、きっと理解しやすかったはずです。そして何より、しっかりと笑いもとれたことが嬉しかった〜。やっぱりつまらないプレゼンテーションは魅力的に感じられないので。もちろん、押さえるところはしっかりいきましたよ。
で、評価はといいますと、なかなか上々だった気がします。面積計算とか、ゾーニングとか、ハウジングのプランもよかったし、プロジェクトのポテンシャルがわかったというコメントでした。唯一、ウォーターフロントの魅力が感じられない点が欠点だと言われました。以前、よい案をいくつか選んで次の段階まで進めるという話になってたんですが、どうやら僕らがドイツ語を話せないということで、次には行けないようです・・・早く言えよっていう話ですが。
来週もう1回プレゼンテーションがあります。今回は面積、プログラムやお金の問題など、現実的な議論だったわけですが、次回はProf.Marcや建築家のHans Frei氏などを迎えてのアカデミックな議論になる予定です。プレゼンテーションの構成も変えて、模型も作って、もう少し気合い入れたいと思ってます。
正念場ってやつです。
(画像左:思いつきで書いたデザインプロセス。右:スタディ模型。)
新年早々から、はりきって大学に入り浸っております。ま、日本にいても一緒だと思うけどね。今日は3月にあるWorkshopの打ち合わせ。なんでもToolboxとしてcardみたいなのをつくるらしい。ARUPのMethod cardを参考にしてるらしいのですが、どうもただこういうカードをつくるのもおもしろそうじゃなさそう。むしろ、設計するためのCard(Tool)をどう使うか、どう並べるかの方が面白いと思ったのです。これは設計方法論のゼミのときにも少し考えてたことだったんですよね。それで、思いつきで黒板に怪しい表を書いてみた。横軸はプロセスの進行具合、縦軸は扱うスケール。設計の進行段階でどのスケールのことを、どんなツールを使って設計するかを表現できるのではないかと。で、こういう方向でいくことになりました。
多くの場合、設計者がプレゼンテーションするときって自分が持っているツールを選んでいると思ったわけです。提案をシンプルにするために。ディベロッパーに対してはコレ、大学教授へのプレゼンならコレ。みたいに。で、こういうふうに全体のプロセスを書いてみると、自分がどういうふうに選んでいるか、どう提案しようとしているかわかるような気がして。多分、3月のWorkshopではこんな事やると思います。なかなか楽しみになってきましたね。来週はProf.Angelilを迎えてのプレゼンです。気合い入ります。
前半戦終了。
ここ2週間くらい更新してませんでしたが、その間プレゼンのために必死だったり、ちょっとカゼひいたり、何かと余裕がなかったもので。でもしっかり楽しんでやってますのでご心配なく。
16日には語学学校で知り合った友人のRizkaとSandroの結婚パーティーに出席してきました。まさかスイスに来て3ヶ月で結婚パーティーに呼ばれるとは思いませんでしたが、せっかくの友人の記念すべき日ということで日本から持ってきたお土産を持って行ってきました。二人とも若いのもあって、日本ほどお金をかけたパーティーではなかったんですが、(地区管理事務所の上だし。)やっぱりこの幸せな瞬間というのは、日本であろうとスイスであろうと一緒なんだと実感しましたね。その後もチューリッヒの日本人の皆さんと忘年会。久しぶりに3時まで飲み、気分よくベッドに倒れ込みました。。。
で、ちょっと模型作りのお手伝いにも行ってきて、久しぶりに、こんな感じのイスを2日間で200くらい作りましたー。スイスに来てからはゆっくり模型作りする時間がなく、気合い入れて模型とかコラージュとか作れてませんでしたが、今回こんなマニアックな模型作りしてみたら、数年前に朱鷺メッセの現場事務所で0.5mmの誤差を気にしながら模型を作ってた頃を思い出しました。やっぱり設計の意図を伝えるには模型もこだわらないといけないよね。
(写真左:プレゼン中のワタクシ。右:ディベロッパーのBraucher氏。)
さて、大学のほうはというと、木曜日にデザインスタジオの中間発表がありました。今回はProf. Angelilは時間が合わなかったのですが、このプロジェクトに協力してもらっているスイスのディベロッパーである、Braucher AGのBraucher氏、Mayer氏を招いての講評会でした。建築の空間に挑戦しながら、ディベロッパーと議論する術を身につけることがこのコースを選択したひとつの僕の目的でもあるわけなのですが、今回は初めての機会ということもあって、建築のシステムと高齢者住宅のプログラムを重視してプレゼンしてみました。やはりお金の面で割にあわない部分を指摘されましたが、いろいろ挑戦できそうな部分も同時に知ることができたので、次につながりそうです。
そしてプレゼン後にBraucher氏がアシスタントに、最終プレゼンテーションで選ばれた1作品の学生が現在設計している建築家と一緒になって設計に関わるようにしてはどうかと申し出てくれたらしいのです。これは燃えますよね!ぜったい穫りたい!だって確率7分の1だよ。もちろん、作品のレベルが高いことが前提だろうし、建築家の作品にも勝るようなものつくらないとおもしろくないだろうけど、チャンスであることは間違いない。今回は勝ちにこだわって、いいもの作りたいと思います。
ということで、中間発表も終わり、1月2日まで休暇に入りましたー。今年のクリスマスは、どうやらチューリッヒで過ごすことになりそうです。レポートも溜まってるし、年賀状も書きたいし、まあ、いい時間かと。
みなさんもよいクリスマスをお過ごしください。では〜。
Urban Report
今週はUrban Reportという、Prof. Kees Christiaanseがコーディネイトする国際会議に参加してきました。アムステルダム、ダブリン、ビルバオ、ザグレブ、コペンハーゲン、チューリッヒという中規模の国際都市を対象に、各都市がどのような戦略や方法もって都市を発展させようとしているのかというレポートから、都市をデザインする立場の人間がどんなことが可能か議論するという場だったように思う。
世界的に投資の力が強くなっている現状において、どう都市のアイデンティティを形成していくか、また行政、建築双方のアプローチとしてもどのようなことが可能か、考える機会になりました。オレのなかではビルバオのアプローチが新鮮に感じましたね。グッゲンハイム美術館というアイコンを中心に、工業地帯の跡地だったウォーターフロントを、計画的・継続的な理解ある投資・開発によって経済効果をもたらしたその戦略に感心すると同時に、お金の問題、建築や景観の問題も含めてコーディネイトしたその組織力に魅力を感じずにはいられませんでした。
そのまま、大学に戻ってMatthias Heyden氏によるドイツのポストモダニズム時代の講義。200枚を超えるスライドで途中からさすがに疲れてきてしましましたが、要は人が公共空間にテンポラリーな空間をつくったこと(たとえば広場に展示空間としての建築をつくったこと)によって、それまで形式化していた美術館という建築の認識ではなく、ピュアな展示空間を実現するために建築に何が可能かという議論を起こしたことの重要性、だと思った。
テンポラリーな空間は新たな空間の可能性を見ることができる点で非常に重要ですよね。既存する空間のなかにあるしかけを配置することによってどのようなコミュニケーションが起こるか、そこからフィードバックされる新しい空間のつくるための方法、姿勢に新しい空間形態の断片がある。新潟で少し参加させてもらったカフェやFloating Platformなどのテンポラリーな空間の捉え方が少しわかった気がしました。
来週の1週間はSeminar Weekっていうやつで、教授がコーディネイトする旅行や見学に行くことになっています。僕はチューリッヒで食と建築をテーマにいろんな食の空間と食に関する空間を調査・分析して、展示することになってます。プロジェクトのほうもプレゼンが迫ってきたのに・・・えらいこっちゃです。
建築と都市デザインの間で
先週はProf. Angelilを招いて初のプレゼンテーションでした。今回は1:10000の地図の分析と、1:2000のスタディ模型たちと、1:100の住戸プランからプログラムをつくって、keynoteで発表してみました・・・が、モノはあってもやはりその文脈、関係性をしっかり説明しないと理解してもらえないですよね。Angelilはさすがに理解力がすさまじく、重要なポイントをつかむのがめっちゃ早い。でも十分伝えきれてないと、その反応も鈍くなってしまう。今回は提案の可能性を広げる方向でつくっていって、批評をもらおうと思って臨んだんですが、語学力がネックとなり伝えきれてない印象。早く上達したいところです。
これまで慣れてきた住戸スケールの1:100から、1:10000という未知のビッグスケールの間で建築と都市の形態を考えることは僕にとって新しいチャレンジですね。特に大きなスケールの情報からいかに形態操作やプログラムに活かすか、自分の中で可能性を探っています。そして重要なことは段階的にではなく、同時に扱うこと。大きなスケールで分析しつつ、形態をさぐりながら、内部のプログラムまで関連づける。簡単じゃないと思うけど、この方法を身につけることを第一の目標にしています。
日本で建築を勉強していて、1:10000とか、1:25000とかの地図を扱うことはまずなかったし、それはきっと都市計画や社会基盤の領域なんだろうと思う。しかし、都市デザインを考えるときにはこの領域を横断する必要があるし、その扱い方を知っていなければならない。例えばディベロッパーと対等に仕事をするにはこの考え方は重要だろうし、建築をデザインする幅を獲得するための武器になるはずです。
ちなみに、先週は東工大の坂本一成氏が講演されました。日本語+ドイツ語通訳で。Box in Box理論と配置法が独特ですよね。でも時間がなかったせいか少し抽象的で、その具体的な方法までは理解できなかったです。こういう空間構成の考え方ってこちらではまだ聞いてないねー。久しぶりに日本の建築理論に触れた感じでした。
初リサーチ、初合宿
(写真左:施設の説明を聞いてます、右:今回の宿)
火曜日、初のプレゼンを無事終えました。とはいえ、正直まだストーカーして得た知識がブレイクスルーしてない感じ。少し考え方を変えたほうが良さそうです。相変わらず言葉に詰まることがしばしばありましたが、コンビを組んでるギリシャ娘がいつもの強気でいってくれたおかげで、なんとか伝えることができた気がします。Marcは今日はいなかったのですが、アシスタントのJorgとDeaneから超するどい指摘とアドバイスをもらいました。彼らの考え方は本当に勉強になります。都市論はもちろん、他分野の論文もたくさん知ってるうえに、しっかりと建築を射程において話をする彼らのスタイルは、オレが目指しているものに近い気がします。
さて、プレゼンが終わって間もなく、ワゴンでリサーチのためスイスの中央部に位置するThunへ。みんな徹夜で作業してたので、疲れているはずなのですが、ずっとプレゼンについていろいろ議論してました。着いたらさっそく施設の説明をしてもらって、ディナーを食べて、やっと寝られると思ったら!なんと、オレだけ女性陣と部屋が一緒になってしまったではないですか!さすがに初合宿でこれはないだろうって思ったんですが、「日本人の男は女性と同部屋で寝られない」と思われるとかなり悔しいので、日本代表としてしっかり寝てやりました。実際のところ夜遅くまでいろいろ話聞けたし、まあ、よかったかな〜。
(写真右:調査地。合宿所みたいな所です。右:ナイスガイなメンバー。)
翌日、今回のプロジェクトでアイデアを提案させてもらうディベロッパーの方々から会社のポリシーや、今回のプロジェクトの概要について聞く。普段の設計課題と違って、お金の話もするし、経営戦略みたいな話もするので、より現実的な状況の中で、鋭いアイデアが求められているわけです。これはホントに最高のチャレンジですよね。ただ、この会社はただ利益だけを追求しているんじゃなくて、高層ビルは建てないとか、既存建物を残すとか、今地域に求められているものをつくろうとしている姿勢が見られたのが好感だったね。日本のディベロッパーのイメージとはちょっと違う気がしました。
そして早速敷地周辺と市街地を調査したんですが、寒かった!山の頂上付近は確実に雪が降ってるんですよ!こんな日に調査とは不運でしたが、僕らチームのテーマである散歩道などを中心に5時間ほど歩き回ってきました。
こんな感じで、いよいよ本格的にプロジェクトがスタートして、モチベーションもあがって来ましたよ〜。
祝!20000アクセス! これからもよろしくおねがいします。
いよいよ始まりました。
(写真左:コースインストラクション、右:ワークスペース)
先週からMASのコースがスタートしました。メンバーは国際色も多彩で、日本(オレ)、中国、ベトナム、インド、コスタリカ、ドイツ、ギリシア、USA。スイス人は・・・残念ながらいませんが、リサーチスタジオはマスターの学生も参加していて、彼はスイス人なので、チューリッヒでの生き方をいろいろ教えてくれます。コースは月曜日がレクチャー、火曜日、水曜日がリサーチスタジオ。木曜日から日曜日は課題とプレゼンの準備。ということで、これまでの1ヶ月の時間は何だったんだというくらい、時間がなくなってしまいました・・・。あまりに余裕がなくなってしまって、予約した見学に行くのを忘れてしまうくらいです・・・。
それにしても、英語早え〜〜。使う言葉むずかし〜〜。一応マスターの上にあるコースだから当然なんですが・・・さすがに最初は何言ってるかほとんどわからなかったなー。今はグループワークでやってるので、少しずつ身についてきている気はするけど。。。来週からレクチャーがスタートするんですが、果たしてどれくらい理解できるか・・・。今必死になって"The Condition of Postmodernity"という本の一部分を読んでます。1980年代あたりから、いかに消費活動が加速していったかを、ポストモダニズムと関連づけて書かれているテキストなんですが、1時間に1ページしか進みません。少しずつやってくしかないですよね〜。
そして先週はチューリッヒ湖脇の公園で高齢者のストーカーやってました。リサーチで高齢者の行動を分析する事になりまして、プレ調査っていうやつですね。そういえばマッチとかボーダも公園やモールで子どものストーカーやってたな・・・と思いながら、朝6時から午後2時までずっと調査して、行動観察の難しさを思い知りました。まさかスイスに来た外国人がいきなりストーカーすることになるとは思いませんでしたが、全力でストーカーやることにしました!水曜日にチューリッヒとベルンの間くらいにある調査地に行って本番です。
あと、先週から昨年のデザインスタジオの作品展示がスタートしました。エントランスに20くらいある各スタジオの作品が並べられて、かなり迫力あります。好き嫌いもありますが、やっぱりMerkliのスタジオとHerzog&de Mueronがいるスタジオバーゼルはインパクト強かったですね。
ということで、コースも始まっていよいよって感じです。最初から全力でいきます!
(写真左:デザインスタジオ作品展示のオープニング、右:Bachlorの学生作品)